低用量ピル・避妊について
低用量ピルについて
低用量ピルには、避妊効果だけでなく、月経不順の改善や月経痛の軽減などの効果もあります。
低用量ピルは副作用を軽減し、安全性を考慮したお薬ですが、副作用が全くないわけではありません。
もっとも注意したいのが血栓です。定期的な血液検査や、事前に血栓ができやすい体質かどうかの確認が必要です。また、喫煙習慣(タバコ)があると血栓ができやすい言われています。服用の際には、禁煙をオススメします。
その他の避妊について
アフターピル
アフターピルとは、妊娠を希望していない方で避妊に失敗した場合に服用する緊急ピルです。
当院ではルノレボを使用します。性行為の72時間以内に1回2錠を服用します。性交後なるべく短時間で服用した方が効果が高いと言われています。
IUD(リング)
IUD(リング)は、ピルの副作用が気になる方、体質や持病などでピルを飲めない方に適した避妊方法です。1回挿入すれば2〜3年は避妊効果があると言われています。
ただし、体内にリング=異物を入れることになるため、不正出血などの副作用がある場合があります。
人工妊娠中絶について
当院は、東京都の母体保護法指定医です。(人工妊娠中絶手術が行えるのは母体保護法指定医のみです。)
当院では、妊娠10週未満での人工妊娠中絶手術を行っています。
手術には健康保険が適用されませんので、費用については事前にお問い合わせください。
手術後の経過については、翌日と1週間後に診察を受けていただきます。
性感染症(STD)について
当院では性感染症の治療を行っています。
性感染症(STD)とは、性行為により感染する病気のことです。病気によっては症状を感じにくい場合があります。将来、不妊の原因となることもあるため、病気について正しく理解し、早期発見・早期治療が大切です。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、日本でもっとも感染者の多い性感染症と言われています。
クラミジアトラコマティスという病原体により感染する病気です。
クラミジア感染症の特徴
- 症状が乏しく、感染していても気づきにくい
- クラミジア感染症に感染していると、HIV(エイズウイルス)への感染が3〜5倍に高まる
- 治療せずに放置すると、不妊症や子宮外妊娠のリスクが高まる
主な症状
- おりものの増加
- 不正出血
- 下腹部の痛み
- 性交時の痛み
膣トリコモナス症
膣トリコモナス症とは、膣トリコモナスという原虫が性器内に⼊り込み炎症を起こします。原虫が膣や子宮頚管に寄生し、尿道や膀胱にまで感染することがあります。
膣トリコモナス症の特徴
- 原因が原虫であるため、性行為以外でも下着、タオル、便器、浴槽での感染することがある
(性行為の経験がない場合でも感染することがある) - 感染しても20〜50%の人は症状がないと言われている
- 治療せずに放っておくと炎症が卵管まで進み、不妊症や早産、流産のリスクが高まる
主な症状
- あわ状の悪臭の強いおりものの増加
- 外陰部や腟の強いかゆみや痛み
性器ヘルペス
性器ヘルペスとは、ヘルペスウィルスに感染することで下半身に症状が出る感染症です。ヘルペスの病変部と接触することにより感染します。
性器ヘルペスの特徴
- 症状は、外陰、膣の入り口、お尻に見られ、子宮頚管や膀胱にまで感染が広がることもある
- 治療でヘルペスウィルスを死滅させることはできないが、症状を抑えることは可能
- 再発しやすい感染症で、1年以内に約8割の女性が再発すると言われている
- 再発の場合は、症状が軽く、治るまでの期間も短いことが多い
初めて感染した場合の主な症状
- 排尿ができないほど、強い痛みを伴う
- 水ぶくれやただれのようなもの(潰瘍)ができる
- 太もものリンパ節に腫れや痛みがある
尖形コンジローマ
尖形コンジローマは、良性型のヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症する病気です。
尖形コンジローマの特徴
- 外科的手術でイボを取り除くことはできるが、ウィルス自体を完全に取り除くことは困難
- 3ヶ月以内に25%の人が再発すると言われており、根気よく治療をしていくことが大切
- 感染後すぐには自覚症状がないことが多く、症状が出た際にはパートーナーも感染していることが多い
主な症状
- 性器や肛門周辺にニワトリのトサカ(カリフラワー状)、もしくは乳頭のようなイボができる
- 軽い痛みやかゆみが出る場合もある
子宮頸がん
子宮頸がんは、悪性型のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となると考えられています。感染したからといって全ての人が子宮頸がんになるわけではありません。性交経験のある女性の約10%はHPVが検出されますが、その内約90%の人が2年以内に免疫力でウィルスは排除されると言われます。
排除されずに長期間持続した場合に、がんに進行すると考えられています。
子宮頸がんは、ワクチン接種による予防や定期的な検診を受けることで早期発見・早期治療が可能です。
積極的に受けるようにしましょう。